| ■なかむら工房 |
名古屋駅前の東急ハンズ。ブライダルコーナーでエッチングされた様々なウェルカムボードが並ぶ中、温かみある木製のウェルカムボードが展示されている。そのボードを納めているのが愛知県のなかむら工房の中村夫妻。工房経営を始めて3年。神戸三ノ宮、名古屋、横浜の東急ハンズへ木彫りのウェルカムボードとベビーメモリアルを納めている。
「退職したままでなにもしないでボケてはいかん!」
流通関係で長年ドライバーをしていた中村さんが定年退職し、そのままでは困ると息子が新聞広告を見て言った。芙蓉商事の広告を見て即座に資料請求。本部の営業担当者とじっくり話し、大阪の本部へ家族全員で伺ってみた。「ギャラリーを見た瞬間に決意した。理由はエッチングの魅力、それにつきる。このようなキレイなものを作ってみたい」と、取り組んだときの想いを語る。
|
| |
 |
| なかむら工房 |
|
|
東急ハンズとの取引のきっかけはJR名古屋駅高島屋にできる情報を本部営業担当者から聞いたことだった。営業経験がまったくない中、オープン前の東急ハンズへ作品を持ち込む。木やミラーなどの彫れる材料ありとあらゆる素材に彫りウェルカムボードを提案した。「温かみのある木で彫られたものがほしい」担当者からのそのような声で本格的に取引が開始される。名古屋店が突破口で、いまでは三ノ宮店、横浜店へも納めている。
納めている木製ウェルカムボードを作製するときの苦労を伺うと、
「木の目の粗さ細かさでそれぞれの味わいが変わるため、素材を探すのに苦労した」と話す。木の目の違いがあるから、味わいがでてオリジナリティーへとつながる。だから木製のウェルカムボードにこだわっていた。
当初は杉の木やヒノキを買ってきて彫ってみた。しかし目が粗いなどできれいに彫ることできない。知人から木を提供してもらうことで納得できる商品を作れるようになった。木の素材探しからこだわるから、独特の味わいが表現されている。
技術や商品の情報を伝えてくれる情報誌、「芙蓉通信」にジーンズにも彫れることが紹介され試みる。木だけではなくマグカップや皮製品、なんでもチャレンジしてみることがエッチングを身につけるポイントだと語る。いろいろ試行錯誤を夫婦で繰り返し、気がつくと技術は自然と身についていたそうだ。基本は本部から教えてもらい、色の塗り方などは自己流我流で作りあげてきた。
|
|
| ■エッチングに出会ってよかったと思うときは「喜ぶ笑顔」。 |
|
|
元々専業主婦だった奥さんは、芙蓉商事と出会うまで絵などはまったく興味がなかった。エッチングの講習を受けたとき、帰宅すると家にあるコップというコップ全部にエッチングを施していた。「掘りだすと時間を忘れてやるもんで、機械を触ると止まらなくなるから家事ができなくなるのよ」(笑)と。
なかむら工房の中村夫妻にとってエッチングは趣味と実益をかねているから面白いそうだ。いつも昼ごろからとりかかり、夕方には彫り上げて一品完成する。
|
好きなときに好きな時間をかけて悠々自適に過ごしながら隙間時間にできる仕事。ちょっとした時間に手軽に気軽にできてみんなに喜んでもらい、かつ、すべてオリジナル商品となる。そこが魅力的。
「ボケるでボケるでって言われてたけど、これのおかげでボケることない。なにもやらないよりはよかった」と話す。
最近おもしろいのは「皮」。
オートバイが趣味の男性が、「自分の皮のジャンパーに彫ってくれ」という注文を受ける。そしたらジャンパーの裏やら皮のベルトやらでつぎつぎと注文がくるようになった。他のバイク仲間を含めて広がってきつつある。
「定年してからすごく快適に過ごせている」
あったかほのぼののなんでも彫ってチャレンジする中村夫妻。
エッチングアートを退職後の人生にうまく取り入れ、快適に老後を過ごしている。 |
|